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―― 前菜が来ましたね。 |
馳 |
・・・これはね、この軽井沢の煙事(えんじ)の自家製のカラスミ。
うまいよー! ・・・ね、うまいよねー!
・・・今でこそね、エラそうに言ってるけど、これに気づくのに4〜5年はかかりましたよ。
最初はさー、誰も何も知らないから、ホラ、杉のシダーのヤツで、あぶって火をつけてから、とかね。 |
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――よくマニュアルに書いてありますよね。 |
馳 |
真似してやってはみたけど、何の意味があるんだよ、それにーっ!ってねー(笑)。 |
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――(笑) |
馳 |
何の意味もないだろうよー!って気がつくのに5年(爆)。 |
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――(爆) |
馳 |
シダーくらいは本当はもっと早くに気づいたけどね(笑)。
ジッポーなんかのオイルライターで火をつけるのも好きじゃないけど、
「それが好き」ともし思えば、それで吸ってればいいんですよ。 |
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――なるほどー! |
馳 |
どうしてもこういうものなので、格好からあこがれて、
格好から入る人が多いんでね、格好に行くのもわかるんだけど。
格好つけるのに金使うなら、その分葉巻買ったほうがいいよ。 |
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――いいシガーをですね。 |
馳 |
葉巻本体を買ったほうがいい。僕はそう思いますね。 |
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――リアル・シガー・ガイドの中でも、あくまでシガーは嗜好品、
自分の好きなように、おいしいと思うように吸えばいいんだと書いてありましたね。 |
馳 |
僕も高いシガーグッズ云十万円になるくらい(笑)、結構買いましたが、今使ってませんもん(笑)。
ライターだって、このビープ3が一番確実なんですから(笑)! |
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――ビープ3を使っていらっしゃるのが驚きでした(笑)。 |
馳 |
僕、10年くらいもう、これです(笑)!10年でこれが4代目。なかなか壊れないし。
3本ターボがつきますよ、なんていうライターだったらすぐにガスがなくなるし。 |
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――(笑)すごいの使ってらっしゃるのかと思ってました。 |
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馳 |
お金かけるならこれです。カッター。パンチ。 ちゃんと切れないと困るんで・・・
これもね、香港のペニンシュラホテルに入っているダビドフショップで、7〜8年前に買ったんですけど、
これ一本で3つついていますからね、パンチが。だからほとんど事足りています。 |
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――パンチ・カッターをお使いなんですか? |
馳 |
僕の基本はパンチです。 |
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――そのこだわりは、どんなところで? |
馳 |
こだわりなんてないんですよ、これが一番楽なんです。
それと、ハサミでカットしたときに、口の周りにカスがつくのが嫌いだってことで。 |
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――なるほど! |
馳 |
もうひとつ使っているのが、ドイツのジカーって、折りたたみ式のカッター。 |
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――あー、私も持ってます! |
馳 |
あれも好きなんですが、あれ持っていくのはトルピードとか持っていくときだけですね。
普通のノーマルなタイプのビトラの葉巻を持っていくときはこのパンチ。 |
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――昨日、スタッフが私に「このライター持っていきますか?」とスゴイヤツ持ってきたんですが、
「お前ねー、普段使ってないヤツ、カッコつけて持っていったって、
見破られるよ、正直な自分で行ったほうがいいよ」って。 |
馳 |
そうそう。その通りだよ。 |
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――(笑) |
馳 |
一度、このパンチを忘れてね、取材で北海道に行ったとき、葉巻だけはたくさん持っていってて(笑)、
行く飲み屋も飲み屋でね、田舎なんでバーとかじゃなくてね。
お姉ちゃんがいるカラオケパブなんだけど、『ナイフ貸して!』ってね(笑) |
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――(笑) |
馳 |
でやっぱり最初に思ったのは、向こうのホテルのシガーバーでもむき出しにしてなんか売ってないですよ。 |
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――そうですね。 |
馳 |
まな板の上でこうやって、一所懸命切ってましたから(笑)。 |
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――(笑) |
馳 |
(笑)でも本当にそう思います。
カッコつけたくなるのはわかるんだけど、実はこういうものの本質はカッコじゃなくてね。 |
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――それならもっと吸って、シガーがわかるカッコよさというものを・・・ |
馳 |
うん。 そうだね。 |
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――リアル・シガー・ガイドにはそこいらへん、
今まで「本当かなー?」と思ってたことが「違うだろう?」とはっきり書いてありますもんね。 |
馳 |
うん、大体はさ、業者がらみの人が本書いているわけじゃないですか?シガーの本って。
そりゃ業者が怒るようなことは書けないわけですよ(笑)。
実際に有名な人たちいますけど、絶対に俺達ほど吸ってないって!みんなね。 |
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――あそこまで吸っている人は日本に |
馳 |
絶対いないですよ、うちの赤帽倶楽部ほど、馬鹿みたいにいろんなものを吸っている人たちはいないです。 |
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――いやー、リアル・シガー・ガイドでは、赤帽倶楽部のお話も含め、気持ちいいくらいに実証されてて、
今までの「本当かなー?」を斬り捨てていらっしゃるので驚いたんですが、
シガーダイレクトもいろいろ今まで大変なことありました(笑)。
馳先生は、この本に対していやがらせとかなかったんでしょうか? |
馳 |
ないですよ、誰も言えないでしょう?僕は業界とは関係ない。
僕が自腹切って得た知識を披露しているだけであって、他の何のしがらみもないですし。
実際、業者さんのところには行かないし(爆)。 |
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――(爆)そもそも行かないんだ! |
馳 |
(爆)行かないし!関係ないですよ!
・・・そんな業者さんが、「違う」っておっしゃるんだったら、「違う」っておっしゃってください、どうぞ、って。
ただし、僕は10年間やってきた中で、これが一番僕にはあっている。
で、悪いけど、お宅たちの葉巻はおいしくないですよ(爆)。 |
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――(爆) |
馳 |
そんな話なんです。 |
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――(笑)リアル・シガー・ガイドのメッセージの一つ、
「一般のショップで売られているシガーを勧めない」という部分も驚きでした。
そう気づかれたときのこと、なぜか?という理由のことを教えていただけますか? |
馳 |
始めたばっかりのころは、今話したような業者のところで買ってたわけです。
それがうまいかまずいかもわかんないです、その頃は。
ただ、なんとなく葉巻がおいしいな、ゆったりと時間を過ごす、
というのもぜいたくな趣味だなあ、いいなあ、ってぐらいだったんですけど。
仕事で香港に行ったときに、向こうの有名なシガーバーでね、えー、一本吸ったら・・・ |
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――一本吸ったら・・・ |
馳 |
いや、吸う前から違うんですよ、香りが。・・・って感じで吸って・・・!
やっぱりおいしいんですよ。で、日本のシガーバーと何が違うのかな、って考えたわけです。 |
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――ほう! |
馳 |
見ると、まずむき出しで置いてない! |
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――(笑) |
馳 |
絶対に置いてない! |
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――あ・・・料理です。これ、・・・鰹とさんまのカルパッチョ?おいしそうですねえ! |
馳 |
(笑)・・・で、たどたどしい英語で、『日本で吸うシガーと全然違う んだけど・・・?』って聞いたんです。
そしたら『俺達は日本のことわかんないけど』って言うんで、
『日本のシガーバーってね、箱から出してむき出しにして、光に当てて売ってるんだよ』って言ったら、
肩をすぼめて『アンビリーバブル!』だって(爆)! |
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――(爆) |
馳 |
(爆)『アンビリーバブル!』だよ!・・・で、そんとき、ベガスロバイナのファモソスってヤツを一箱、
それも2年くらい前のボックスコードのヤツがあったので箱買いして帰って吸ったら・・・やっぱりうまい。 |
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――なるほど |
馳 |
その当たりからですね、『どうもおかしいん じゃないか?日本の葉巻業界は!』と。 |
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――おかしいんじゃないか、と。 |
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馳 |
それで要するに向こうのほうがおいしいのと、2年たってたベガスロバイナ・ファモソスを吸って、
『違う!』それで当然、『熟成の秘密とは何ぞや?』という方向に動き始めるわけですよね(笑)。 |
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――(笑)その先に赤帽倶楽部があったんですか? |
馳 |
うん、自分一人じゃわからなかったし。みんな知らないし。
で、ネットで調べているときに赤帽倶楽部見つけて、そこにどう考えてもすごい情報が書いてあるんですよ。
おまけに『この人たちはどうやってこんな珍しい葉巻を手に入れているんだろう?』って。
だって、絶対に日本じゃ手に入らない葉巻なんだもん。 |
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――う〜ん。 |
馳 |
そしたらインターネットで個人輸入。ジェラール。 |
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――存知あげてます。 |
馳 |
箱から違ったんですよね。蝋の封がしてあって。
あけたら明らかに「あ!俺達が日本で見ているシガーと絶対違う、これ!」って。
ジェラールは高いですけどね。で、買った後は保管で悩む(笑)。 |
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――(笑) |
馳 |
一番驚いたのはキューバン・ダビドフのカピネー タ。
もう滅多に出ないけど、今出たら一箱25本入りで100万円とか、200万円とかするんですけど、
僕の赤帽倶楽部の友人がまだ2000ドル台で買えたときに2箱買ったって言うのがあったんです。
彼の人生で一番うまいと思うシガーはこれだ!というんで一本持ってきてくれたんです。 |
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――ほー! |
馳 |
あれ、吸ったときの衝撃ってなかったですね。 |
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――はー! |
馳 |
今の感覚からすると、スカスカな感じがするんですよ、『これ、巻きが緩すぎるんじゃない?』って感じ。
でも吸ったら、コンコンと煙はわいてくるわ、香りはわいてくるわ・・・
実はキューバン・ダビドフって、プレミアがついてるけどおいしくないんですよ。 |
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――そう聞きますね |
馳 |
ええ。でもあのカビネータだけは!ホントにおいしかったですね。 |
|
――へー!それって保管の問題でしょうか? |
馳 |
いや、元もとの作りが違うんだと思う。コィーバだって、94年でしたっけ?
あそこらから以前と以降と味が全然違うって言いますし、僕もキューバン・ダビドフいくつか持ってますけど、
もう違いますもんね、トップ中のトップに巻かせているんだなって、すぐわかる作りですよ。 |
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――う〜ん。ダビドフの畑の話なんかは、北方先生から随分お聞きして「へー」と思いました。 |
馳 |
いろいろ聞きますね。 |
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――何年くらい寝かせたもんだったんですかね? |
馳 |
カビネータは、24〜5年寝かせてるでしょう。 |
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――以前『なんでも鑑定団』の鑑定士の方とお話したときに、シガーは7年でしたっけ、
そのくらいたつとニコチンが後退していく、と。 |
馳 |
そうです。 |
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――リアル・シガー・ガイドを読んで気づいたんですが、熟成をゆっくりさせる、だから・・・ |
馳 |
そうそう、ゆっくり熟成させるんです。
機械巻きのね、安いヤツ、それも50年くらい前のがどこからかひょんと出てくることがあるんですよ。
すると、ブランドなんか関係ないですよ、どれ吸っても同じ、鄙びたね(笑)、夏の押入れのような(笑) |
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――夏の押入れのような・・・(笑) |
馳 |
それはそれでね、別にいいな、年月を感じるな、って。
そっちの嬉しさはあるんですけど(笑)。
やっぱりね、昔のトップブランドの、当時のキューバのトップのトルセドール達が巻いたヤツって違うんですよ。
空気がまんべんなく中にまわるとか、いろいろあるんだと思うんですけどね。
今ダビドフとかも80何年とかに終わってしまって、もう20何年前のものになってしまうので、
よく保管していればまだアロマとか楽しめますけど、あと10年もしたら、みんな同じようになってしまうでしょう。
だから後生大事に持っていてもダメだろう、吸おうぜ、って僕たちは吸ってるんです。 |
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――なるほど |
馳 |
だから、多分こういう風に保管していれば、一番おいしいのは 10〜15年じゃないかなあ。 |
|
――こういう風に保管していれば、10〜15年ですね?そこまでいけばご褒美ですねえ。 |
馳 |
うん。だから本にも書きましたが、イギリスの業者から電話がかかってきて、
ラモンアロネスのプライベート・ストックの箱が入ってきたんだけど、買わねえかあ?ってね、
そんときたまたまお金があると、「いいよ、買うよ」って。
買うと、この箱の横のところに、当時のイギリスのシガーショップの手書きのラベルが書いてあって、
Mr.ロバートソン 1972年、とか書いてあるわけですよ。
なんかそれ見てるだけでも、『どんな理由があって、俺のところにきたのかわからないけど、いいなあ!』(笑)
とか思うじゃないですか。 |
|
――(笑) |
馳 |
多分、その買った人は死んで、息子はシガーとかに全然興味がなくて・・・
「昔のシガーは高く売れるらしいぞ」ってことでクリスティーズあたりのオークションにかけられて俺のトコに来たんだろうけど。 |
|
――ドラマがありますよね。でも、そういうオファーが入る関係って、人生を豊にするというか・・・ |
馳 |
そうだねえ。でもそこはイギリスなんで高いんですよ!・・・いろいろレアものが入ってくるショップがあってね。
そこの東アジア一の顧客(笑)が、リアル・シガー・ガイドに出てくる赤帽倶楽部の草野先生って言うお医者さん。
そのお医者さんにまずオファーして、お医者さんが「いらない」って言ったのが、俺のトコにメールが来る(笑)という・・・ |
|
――(笑) |
馳 |
でも最近メールが来なくなったから、さすがにビンテージシガーが手 に入らなくなったんだと思うよ。 |
|
|
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――リアル・シガー・ガイドのメッセージの一つ、
「インターネットで個人輸入を利用しろ」も思わずガッツポーズをしました(笑)。
シガーダイレクトも、スタート以来サポーターの皆さんと一緒に試行錯誤してきました。
先生のお考えになる、個人輸入のよいところ、というのはどんなところでしょう? |
馳 |
まず日本の有名どころ(笑)のシガーバーやショップで買うよりいいんじゃないかな、と。
向こうのほうが保存方法が多分しっかりしていますよ。それと日本で買うより安いですよ。 |
|
――シガーダイレクトの安さは最強ですし、日本語で対応できます(笑)。 |
馳 |
(笑)日本のシガーバーやショップはマニュアル化されているし、
サーブしてくる人たち、いくらもらっているんだよ、給料20〜30万円で俺に意見するなって、言いたくなっちゃう(笑)。
吸ったことないだろう?これ!?ってね。 |
|
――(笑) |
馳 |
まだ ワインのソムリエだったら、ちょっとティスティングもできるでしょうが、
シガーも、客の吸い残したシガーを吸うわけにもいかないだろうしね(笑)。
そんなチマチマ吸っているの人がフロアに出てくるんで、その人たちの意見を僕は参考にならないと思うんです。 |
|
――う〜ん。 |
馳 |
ただヨーロッパあたりで、親父の代からず〜っとシガーショップやってます、
とかいうお年寄りはいろんな知識はあるけどね。
ただ、だからある程度英語ができなければならない、という壁があるよね、個人輸入は。 |
|
――シガーダイレクトの個人輸入は安くて、日本語対応です (笑)! |
馳 |
(笑)いろいろお話聞くと、シガーダイレクトが一時中断したこと、
その後できるようになったことを考えると、意外とひょうたんから駒だったようですね。 |
|
――そうですねえ。がんばってきましたし。
それに、もし葉巻やってなかったら、こうやって馳先生とお会いすることなんてできないから、
ホント、シガーダイレクト様様です。
後でぜひサインしていただければ、と思って、お客様用のリアル・シガー・ダイレクト以外に、
昔私が読んだ「不夜城」も持って来ました! |
馳 |
(笑)わかりました。 |
|
|
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――不夜城完結編の鎮魂歌でも、シガーが非常に重要なポジションを占めていましたよね。
それで、先生がシガーをこよなく愛していらっしゃることがよく伝わりました。
リアル・シガーガイドでは、一般に言われるような加湿等の常識や、
着火についての常識を打ち砕く話の連続でしたが、
「間違った知識で自分をがんじがらめにせず、葉巻を楽しもう」という最後のメッセージにいたるまで、
自分のどれも納得いくものばかりで驚きました。
シガーの初心者から、マニアと自認する方まで、ぜひ読んでいただきたい本だと思います。
シガーダイレクトでガンガン情宣したいと思います(笑)。 |
馳 |
こちらこそ、よろしくお願いします。 |
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――お聞きしたい質問には、それらについての細かい内容も本当はあるんですが、
一番聞いておきたい質問をお聞きします。
先生にとって、『シガーとは何か』と聞かれたら、何とお答えになりますか。 |
馳 |
なんだろうねえ・・・。
人生においしいウィスキーとおいしいシガーがなかったら本当につまんない、って思っているんですよ。
僕もお酒はウィスキー、ワインといろいろ飲みますが、
どれか一つ選べって言われたら、僕は絶対ウィスキーなんですね。
で、シガーはキューバの葉巻です。
ドミニカだろうが、何だろうが、いろいろ吸いましたが、やっぱりキューバは神に愛された土地なんですよ(笑)。
何でだろうと思うくらいにおいしい(笑) |
|
――(笑) |
馳 |
18歳のときに東京に出てきて、41歳で軽井沢。その間22〜3年、ずっと東京でせわしなく生きてきて、
そんとき1時間なり、1時間半なり、焦らずゆっくり行こう!と立ち止まれるのはシガーを吸っている時間だけ。 |
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――う〜ん。 |
馳 |
のんびりさせてくれるものはやっぱりこれですよね。 |
|
――焦っているときに吸ってもおいしくないですしね。
お忙しい中での、空白の時間、ということでしょうか。 |
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|
馳 |
・・・(笑)武田さんに何度もシガーダイレクトのパーティ誘われたのをお断りしたのは(爆)・・・ |
|
――(爆)がんばりました! |
馳 |
仲間とワイワイやって吸うのもおいしいんだけど、一番おいしいのは、
一人でぼんやりしながら吸っているのなんですよねえ・・・でも! |
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――でも? |
馳 |
今度行きますよ(笑)。 |
|
――おー! |
馳 |
(笑)・・・今僕が吸うのは一日2本。すごかったときは一日4本吸ってたんだけど、
そんな無理やり吸わなくてもいいだろう、と。
そのペースなら、今のストックで70歳まで持つぞ、という(笑) |
|
――(笑) |
馳 |
そんな計算なんですよ。 |
|
――(笑)そりゃまたすごいですねえ! |
馳 |
ジェラールにどんだけ保管してもらっているかわからないんで、今度確認しとこうっと。 |
|
――不夜城では劉健一がシガーの保管用の部屋を持ってましたよね。 先生もお持ちかと思ってました。 |
馳 |
いえ!今の部屋に2畳半くらい、ジップロックで包んだものがぐわーっと(笑)立ててあるのがあります(爆) |
|
――(笑)温度は20度? |
馳 |
いえ、関係ない、夏は湿度高すぎるんで除湿機はかけますけど。後は何にもしてません。
あのね、何にもしないためのジップロック保管なんです。 |
|
――何にもしないためのジップロック保管なんですね? |
馳 |
これを教えてくれた人は、東京に住んでますが、別にエアコンとかつけないでこれでやってます、って。 |
|
――えー。それはすごくいいですねえ! |
馳 |
うんうん。 |
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――先生、一つお願いがあるんですが、シガーダイレクトのサポーターの方達にも先生のファンが多いと思います。
そんな方達にメッセージで動画を撮らせていただいていいですか? |
馳 |
いいですよ(笑)。 |
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――じゃ、後でお願いします。先生のシガーライフをお聞きすると、意外だったんですが、
作家の方が葉巻を吸うっていうと、 原稿書きながら吸うイメージだったんですが、違うんですね。 |
馳 |
うん、しない。というのももったいないよね(笑)。何かしながらってのはもったいないよね。
唯一許すのは、何かを飲みながら、あるいはチョコレートを食べながら。これは許す。
煙事のチョコのデザートは考えられないくらいおいしいんですよ、後で試しましょう。
これがシガーと最高にあうんですよ。
やっぱりね、仕事しながらとか、車運転しながら、とかそんなことはしないです。 |
|
――すごくストイックですよね。 |
馳 |
ストイックというか、この歳になると(笑)、規則正しく生活しないと(笑)、
いろんなことがうまくいかなくなるだけの話です。30歳代前半のときは毎日銀座か六本木でしたよ。
でもそんなの、もう飽きたし(笑)。 |
|
――(笑) |
馳 |
あと、軽井沢は朝が気持ちい いんで、朝早く起きたいし、森をね、犬と散歩して短いシガー吸うとおいしい。 |
|
――なるほど。うちのスタッフなんですが、先生の本を読むと悪夢を見るヤツがいて(笑)
馳 「(笑)」 夢でうなされて目がさめるそうです(笑)。そんな本、先生の本だけだそうで。 |
馳 |
それ、最高の誉め言葉ですよ(笑)。うん、素晴らしい誉め言葉だなあ。 |
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――(笑)ヤツには今リアル・シガー・ガイドを読ませていますが、これは悪夢を見ませんね(笑)。
シガーダイレクトのビギナーの方には「とにかくリアル・シガー・ガイド」を読みましょう!と言いたいですねえ! |
馳 |
ありがとう。 |
|
――とにかくおもしろいし、シガーを吸いたくなるし、箱で手に入れたくなってしまう(笑)。
先生はビギナーのための一本目としてパルタガスショーツと、ホヨー・ド・モントレーエピキュアNo.2をお勧めされてます。
確かにビギナーは何を買ったらいいかわからない。
これとリアル・シガー・ガイドをセットにして『馳星周セレクション』としてビギナーがわかりやすいようにしたらどうでしょう? |
馳 |
ショーツ、おいしいよね。最初に吸うならいいね。
どうぞ、おまかせします。 |
|
――ありがとうございます! |
|
|
馳 |
そして、一時間時間をとって、他のことは何もしない。
コーヒーでも紅茶でも日本茶でもアルコールでもいいけど、自分の好きな飲み物と、ね。いいシガーをね、楽しむ。 |
|
――一時間時間をとって、他のことは何もしない。 |
馳 |
1998,9年だったか、25本のうち23本が巻きがきつくて吸えなかったんだよね、ひどいんだよね。
2000何年だったか、キューバに空気が通るかどうかを調べる機械を導入したらしいんで、
そこからはいいみたいだけどね。 |
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――キューバのカストロ首相の健康も心配ですよね。 |
馳 |
ほんと、カストロ死んだら、絶対シガーの質、ガクンと落ちますよ。
おおっぴらにアメリカが輸入できるようになったら、がんがんアメリカが買うようになって、
たくさん作れってことになって、品質下がって値段は上がる。 |
|
――う〜ん。 |
馳 |
だから俺はその前にストックしなきゃ !って(爆)!
かなり焦ってストックしてたってのはあるよね。カストロが死ぬ前にってね。 |
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――(爆) |